起案

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・記:都市芸術実際会議/2019.8.1
「アートリボーン・プロジェクト」起案
十数年前、我が国の芸術活動を支えるアートインフラの脆弱さを痛感した我々(美術家)はアートインフラの構築と共に、芸術活動の活性を目指し、NPO法人「アート農園」を設立した。当初は雑誌の刊行や勉強会からスタートし、展覧会企画や美術講演会、さらに地域社会を対象としたワークショップなど、様々な活動を行なってきたが、一つ、抜け落ちていた大事なことがあることに近年気付かされた。
それがこの「美術作品の倉庫プロジェクト」である。人々が人生を終えるときに葬送のシステムが必要なのと同様、美術作品にも終末の制度が必要なのではないか。
作家の手によって生み出された作品は展覧されるところまでは皆、イメージできるが、その先の問題が抜け落ちている。
多くの美術家は自己実現のため、また社会との接点を見出すために精力的に制作を行い、発表して一まず役目を終えると共に、それらの作品は行き場を失うという現実。私がこのことを痛感したのは、全国の美術館に作品が所蔵されている著名な彫刻家が亡くなられた時、遺族が最も困ったのは、倉庫に眠る残された作品群のことであった。
彫刻作品ということもあり、倉庫の賃料は月々十数万円を超えるという。それを誰がいつまで支払い続けるのか…。
作家が精魂を込めて制作した美術作品は、程度の差こそあれ、この様な運命を併せ持つ。
我々が今考えているのは、制作した作品をできるだけ安価で保管・アーカイブでき、作家が亡くなった時には遺族が迷うことなく適切に処理できる様々な制度作りを実現することなのである。

MASC都市芸術実際会議 代表 石井博康


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・記:NPO法人アート農園/2018.1.6
「アートリボーン・プロジェクト」起案       
 美術作品には、人類の新たな精神の荒野を切り拓いてきたという歴史があります。幸か不幸か、消費され無惨に消えていく作品があれば、大切に保管され、残されていく作品もあります。
 作品には常に、この引き裂かれる現実が横たわっているのです。
 作り手は後世に名前を残すなどといった個人的な欲望は、それほど強くありません。おそらく作り手は作品を制作したことで、もう十分にその恩恵を得ているはずです。それではどうして、私たちはその作品を残したいのでしょうか?
 本来作家によって制作された作品は、すべからく保存され、残されるべき物だと思っています。
 確かにそれらすべての作品を残すということは、もとより、不可能なことは十分にわかっています。この世にある物はいずれ失われていく、その事は留められません。しかし、私たちには、作品に刻み込まれた作り手の思いと、研究対象としての価値を、この世から抹殺してしまう事への恐れがあります。廃棄されていくことへの、不安と喪失感、罪悪感に強く苛まれるのです。
 制作者にとって作品は、慈しみ一生懸命育ててきた我が子のごとく、あるいは自身の魂の断片ともいえるような、大切で、尊いものだと思っています。
 残念ながら廃棄されなければならなくなったそれらの成果物に対して、作り手は昔から作品を排泄物に譬える事で諦め、泣く泣く廃棄してきたという経緯があります。
 作品には本来、置かれるべき場所があるはずなのです。言葉を持たない消え行く作品の一枚一枚に、それは必ずあると思います。私たちは運良く生き残った作品の落ち着き先をみつけてあげたいという使命感のようなものを感じています。
 どんな作品にも、その生まれてきた経緯、制作者の思い、が強くあります。
 その声無き声を聞き、落ち着く先を捜す事・・・。その価値を未来の人々に受け渡し、繋げていく使命のようなものに突き動かされているのです。私たちは作品に残された微かなアウラを拾い上げていきたいと考えています。
 失ってからではその声を聞く事は出来ません。その声を聞くために、なんとか残しておきたいと願うのです。   
 幸い私たちが推進するこのプロジェクトには現在、大変多くの賛同者の声が寄せられています。残しておきたい作品、残さざるを得ない作品、私たちの貴重な遺産を少しでも多く保存していけるための制度作りが急がれています。
                               
NPO法人アート農園代表 芝 章文

京アニspiritsエイド

心からの哀悼の意と共に、次代へ魂を紡ぐべく、以下の支援プラットホームを起案致します。


●主眼:忽然と消される魂の息吹を繋ぐ…京都アニメーション被災を今後の多様な支援へ。
●主旨:制作側のマンパワー支援の集積、遺作品のキュレーション、制作者(アニメーター)支援。


立ち上げの由緒:
当「アートリボーンプロジェクト」は、作家作品の保全と活性(活用)のほか、夭折画家を含む、作品群が生み手(制作者)を離れたときに、その息吹を後世に遺すためのライブラリー保管機能も視野に、日本で初めて立ち上げられた取組みです。

その構築段階で、起きたのが京都アニメーションの放火被災でした。

●当プロジェクトの主たる「ファインアート(純粋芸術)」と「アニメーション」では作品域は異なりますが、
共に“創造者たち”…である制作者である意を共に基層とすると認識します。

●忽然と奪われた命…それは、その指先にあった作品の中に生きる魂もまた運命を共にします。
中国の古事にあった名言、人ひとり亡くなると図書館ひとつが消えるがごとく…と。
まさに、アニメーター達がその命を閉じたとき、多くのこれからも生まれ出ずるであろう魂も共に息を止めてしまうのです。

●そこに在った魂まで消してはならない!
この未曾有の事件は、このあとを描けてこそ逝った魂に報いることになるのではと感じます。

「当プロジェクトの作家陣には多くの教え子もいます。
画業の学び舎から巣立ってどのような表現の社会で活躍するのか…。それはまた未知の可能性への背中を押す作業でもあります。
今回の未曾有の事件、それは教え子の安否を気遣う突発の事態との直面も意味しました。
筆舌尽くし難し…は、夭折画家への魂を留めたいとする指標とも重なる基層です。

その思いを有形に…、当エイドは、“京アニ”の制作者へのオマージュを込め、支援へのプラットホームを立ち上げに至ります。

 

これまでの取組み

 

 

2019年7月 「京アニspiritsエイド」の立ち上げ提起

 

▪️未曾有の放火事件の現地に佇む…。
瞬時に焦土と化した地に声を失う…。
そして、思うは、事件を一過の禍根に留めてはいけない!

大切なのは、二度とこのような惨事を暴発させないこと!
“社会の歪み”が生んだ犯罪の温床を作らないこと!
そして、
…そして静かに逝った命を追慕し、被災のお一人お一人がアニメ作品を輩出する“作家”であったことへ畏敬の念を手向けること。そんな思いを重ねて、『京アニspiritsエイド』の設立へ!
■設立経緯:
《京都アニメ…未曾有の放火事件~支援と今後へ》/for 事件から一カ月の命日前、お盆の送りの日に報告アップへ(アカウント問合せは末尾付記↓)

放火被災現地 献花台

事件直後の先月と今月、献花台と放火被災現地へ。/目の当たりにする現場が無言で訴える胎動は限りなく大きく…。

■起案への系譜:

  • 東日本大震災の2万人の命が奪われた被災に同じく、京都アニメーション(略称:京アニ)放火事件はスタジオにいた70名中69名が被災。35人死去、34人負傷。/(2019年8月時点)

…「未曾有の」と形容される類例無き凄惨な事態。

  • 世界的に作品群への高い評価あった京アニへ世界中から一夜にして救済支援が集まりました。
  • …では日本は?…哀悼やファンだった…の声しきり…ですが、これほどの凄惨な事態を“追慕”だけに留めていいのでしょうか?
  • 犯人とされる人物いわく、犯行の誘因は「根拠なき怨恨」…。←これは社会が生んでしまう歪(ひずみ)ととらえるべきではないでしょうか?

 ↓

  • 逝った命のに報いる一番大事なことは、
    「次の被害を生まない!(そのような環境を作らない!)」ということです!

自然災害でも、人災でも、その要因となることを出来る限り社会がきちんと意識を持ち、
そして、“同じ過ちを犯さない”環境づくり…へ、一人ひとりの意識と協力を集積させることが責務と痛感します。

  • 「東日本大震災」以来、現地へ出向き、この後の対策の必須を…と感じ、先月の事件来、準備を進めてきました。

私たちは、かの「3.11」のときに何を思ったか? →「なんでもいい、何か自分にできることはないのか?」…この自問が国民の数だけあったと感じる未曾有の被災でした。

“忽然と命を奪われる”…その“生きる権利の剥奪”は誰もの胸に痛み、そして、少しでもその痛みの担い手となり、そして、その背中を押す一助にと、心を向けたい気持ちの芽吹きがあると思います。

  • そのために、必要なのが、→様々な声と要請を集積できる「プラットホーム」なのです。
    ※(東日本大震災のときは、被災子ども対策「parent-エイド」を起案)

 

  • 今回の忽然と起こった事件、

丁度前段として、一昨年来準備を進めている「美術作品の保全再生」=アートリボーンproject計画がありました。(=夭折画家や遺された作品の再生保管企画)

まだ準備段階でプロジェクトメンバー皆で進めている起案ですが、そのなかのコンテンツに、
★今回「京アニspiritsエイド」を立ち上げることを提起しました。

  • 物心両面の支援、そして、今後へ(作品キュレーション等を展開)など、
    募金という拝金だけにならない、本来の支援へ~!
    アニメーションという作品を生み続けたであろうクリエイターの魂を後世に繋ぐ一助になれば幸甚です。

お盆最後の日と、事件発生日の狭間となる本自を公示としてアップへ

【京アニspiritsエイド】
Twitter→@KyouaniS

  • ここまでの準備に何度か現地へ足を運び、一カ月を要しました。

まだまだこれから…、皆様の声合ってこそ、支援を有形に…と思いますので、多くのお声をお寄せください

筆責:produce担当

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2019年10月 東京(キッド・アイラック・アート・ホール)公演

【実践 ACT-1】~企画講演LIVE~2019

京都アニメ放火被災…逝った魂に捧ぐステージ~vol.1忽然と奪われた“生”は、どこに息吹を遺すのか…。
作品は勿論、作家としての魂に畏敬の念を注ぎたい…。

 

アートリボーンprojectとして、この未曾有の事件当年に捧ぐ。
テーマは:
「魂の無形の輝きは、その想いを馳せる所に再生す…」
For 京都アニメーション放火被災の追慕に寄せて…。

 

(当日LIVEリポート)

2019/10.27 At アトリエ第Q芸術 (故・髙山辰雄画伯アトリエ)
★title 《~魂を紡ぐ~》(語りと謡い)

  • 神(窪島さん)臨場!、ミューズ(静流さん)臨在!、『無言館』の魂降臨!
  • ~『キッド・アイラック・アート・ホールのDNA』
  • 私たちに託された次代への伝言~“作品に宿る魂”を体感胎動へ…。

謡うように語り、語るように唄う…/今宵は「アカシアの雨が止むとき」~の音色は世紀を超えて大切なことをと胸中去来へ…
~時代を繋いだのは戦没画学生実話『あの夏のまま…』作品歌に寄せての語りと謡い~

  • “後世に遺すべき大切なこと”…この無形のテーマへの提起!

これまでの様々に取り組んできた文化喚起、フォーカスされる先に見えてきたのは→“大切なコトを感じる感性と、大切なヒト(次代)に紡ぐ責務!

★文化芸術の作家から輩出される作品の後世保存へと新たに「アートリボーン」起案を取組みを始めた矢先、本年勃発したのが京都アニメ放火事件!

この未曾有の事件を看過してはいけない。
そして、作品を輩出したアニメーター(作家)一人ひとりの魂を忘れてはならない。その意のもと、当年内に起案実現へ…!

 

万来満場の当夜!感動深謝を込めて下記報告

and、末尾に今回の開催で新たな無音館遺族からの報を付記→(印)

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about us:

  • “戦争”と拝金主義に邁進した20世紀、さて私たちは21世紀に何を遺そうとするのか…。それは“過ちからの学び”、奪われた魂が声なき声を挙げていることに耳を傾ける…ということ。

そして、大切なのは、追慕だけに留めず、次の非業を生まないことが逝った魂へ報いることになると切に思う!

 ↓

  • いわく、戦没画学生作品を収蔵する「無言館」の館主であり作家の窪島誠一郎氏は今月掲載の毎日新聞の特集紙面で「戦禍に無下に命を奪われた画学生たちの叫びは、ひたすらの絵を描かせてほしい“命乞い”のように感じる」と…。

切なく痛む究極の表意に窪島さんの変わらぬ篤き思いを感じる一言。

 

  • その窪島さんの拠点の始まりは、東京・明大前「キッド・アイラック・アート・ホール」
    半世紀前の産声は、まだ小劇場たる空間も無かった時代に、唐十郎氏や、坂本龍一らが足を運んだという。
    フリージャズ台頭の時代、坂田明や長谷川きよし、高見沢俊彦らも集い、お金の無い彼らに調理師免許をとった窪島氏がナポリタンを作ってお腹を満たした。
    寺山修司氏と『裏窓』を共作したと回顧する…。
  • のちに改装、キッドとしてホールを有して「アート」を付加したホール名としてスタートの際には、上階に夭折画家を収蔵する信濃デッサン館の分館のようにギャラリー併設、地階の喫茶は「ブック・カフェ槐多」。若くして逝った村山槐多のデッサンのジクレーも展示。

まさに館主である窪島誠一郎氏の夭折画家たる息吹を充填させたような空間。

 

  • かの萬鉄五郎氏の薦めて知った画家「村山槐多」(享年・22歳)に惚れて、その活動起居の地、長野県上田に遺作を求め、収蔵。信濃デッサン館の構築へ。
  • そののちに、戦没画学生遺作を集積した「無言館」を開設。

…窪島氏は、殆どの時間を信濃の地に投じる生活に入る…、東京の牙城、キッドのホールの運営管理を早川氏に託す状況となった…との談。

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  • キッドのホールは半世紀の時を刻んで、2016年閉館。
    その年に生まれた曲が『あの夏のまま…』なのです。
    キッドのホールの最後の12月に歌い語った…今回はその再来…再現なのです。

そのまま閉じてはいけない、その想いにかられてのここまで…。

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  • “種”はどこへ撒かかれるのか…。
  • 新たなホールの起動へと動いたのが、キッドの最後のアートディレクターの早川誠司氏。/共に運営へとなったのは、かつてキッドにも出演していた髙山なおき氏(現・劇作家)。
  • 場所は、日本画壇を代表する髙山辰雄アトリエ跡=『アトリエ第Q藝術』

窪島氏が心血注いだ夭折画家への遡及、無言館に収蔵される裸婦像から作品となった『あの夏のまま…』を歌唱のおおたか静流さんとの共演を、このアトリエ跡のホールで…と起案、その祈念が叶った瞬間でした。

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  • 当日を迎えて…:

ホール満場、千差万別、何が始まるのか当惑の方、窪島さんにひたすら心酔の方、静流さんの歌声がおりなす一夜を追い続ける方、様々な心象去来のなか、織りなされた絶妙の語りと謡い…。

 ↓

STAGE(歌唱)

【楽曲内容】(静流様より)

*プレローグ:良寛の「裏を見せ 表を見せて 散る紅葉」にメロディーを付けての即興~「旅愁」を添えて…。

「アカシアの雨が止むとき」
「Amazing Grace 」
「あの夏のまま…」
「夕日」……(サリーちゃんと)

「水の恋唄」
「イムジン河」
「ほしのこどもたち」

fin.

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(※)大切な付記:《奇遇の連鎖》

  • (1)「無言館」収蔵の実在遺児の方との出合い:

今回の催事をお声がけしたなかに、某局時代の尊敬する報道の大先輩がいました。曰く「無言館に私の身内の作品が収められています」その作品のことは窪島さんの『傷ついた画布の物語』に記載されています…と!

余りの奇遇に驚き尋ねると「美校(現・東京芸大)油絵科の身内は我が子独りを遺し戦地に死す。その遺言状の全文と唯一の遺作があることを窪島さんに伝えると、窪島さんは秋田まで一人息子に会いに飛んできて作品と直筆を無言館にとのことで全てお預けしました」と…。

その遺言状は、まだ2歳で遺児となる息子に、この先を共に生きていけない思いをどのように生きてほしいかを切々と箇条された「遺訓」として書かれていました。

その一説は、上記の書の中の『原 穣 「坂出風景」…重々しき黙示録』として記載されています。

(享年30歳、原 穣(ハラユタカ)さんの素敵な写真が遺っていました。掲載本と共に写真を添付します)

  • (2)無言館の作品集積のもうひとりの功労・野見山暁治先生の学恩のご縁:

今回、主催させて頂いた当方は、この文化企画(文化じかけのオレンジ)のほか、美術作品の保管再生を起案の「アートリボーンproject」に携わっています。

その代表が石井博康氏(元東北芸工大副学長)。奥様と共に東京芸大卒。先日奥様が急逝、その哀悼の意を代表して「手紙」という形で感動の弔辞をされたのが野見山暁治先生でした。

今回の企画を伝えると、その繋がりと由縁に奇遇を超えた感動。

現在進めるアートリボーンは、作家陣の手を離れて遺る膨大な作品群をどのように保全とキュレーションをしていくか…という意味で、無言館と基層が重なるところがあります。

会の終りに石井代表に一言ご発声頂いたのは、野見山先生の哲学に心酔した学恩と、そして共に無言館を創成された窪島さんと、このような形でお会いできたことを感慨の深きと共に、ご自身も作家として、他の多くの作家が作品の保全に苦慮している現在の問題解決に取り組もうとしている表意をお伝えしようと思った次第です。

  • (3)追記:『夕日』の歌について:

静流さんがSALLYさんの音色と共に歌唱した『夕日』。「ギンギンギラギラ、ゆうひが沈む~」…この牧歌的な歌を作ったのは広島県福山市出身の詩人・童謡作詞家・葛原しげる。瀬戸内に沈む夕日を「まっかかか空の雲…」と綴った太陽は、どの空の下にあっても郷里を去来させたことでしょう。/ その広島福山から、当日会場に来場あり!…この曲を感慨深く拝聴とのこと。「死んだ親父が、八尋(福山)に立って、ここで謡われた歌だよ」と言っていたと…。

…以上、千載一遇のように、ご縁の連鎖が(1)(2)and(3)とあったことを、今回の報告アップに付記させて頂きます。

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次回へ紡ぐguest紹介:

今回のシリーズ「~魂を紡ぐ~」として、次の機会を…と草案させて頂いている方に来場いただきました。

*藤原新也氏:「東京漂流」「メメント・モリ」著作者。/3.11同年上梓の「死ぬな・生きろ」は作品展と同時開催。…この不朽の魂を貫く表意の体現を講演LIVEの形として今後を予定したいと思います。

*共演は、藤原氏がデビューからのジャケ写を撮っているアーティストSNoW(スノウ)。「地獄少女」主題歌(逆さまの蝶)でヒット。藤原氏撮影のファーストアルバムにある「空が見える場所」が今回のテーマに繋がる“空”を以っているとかんじます。…次会へ…。/SNoWも来場。

*金子修介監督:「デスノート」「学校の怪談」「ガメラ」シリーズ等を監督。/ 当方とは東宝作品のプレス公開担当等で携わり、作品「毎日が夏休み」の撮影現地上映を単独起案させて頂き、一日上映で2300人は現在も最高位の記録。

上映後対談の起案、笠井アナ(元フジテレビ)と登壇。今後、当企画本来の文化喚起シリーズとして、鼎談と上映を草案中。

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以上、来場含め今後への起案含め、当夜要約報告。

 

  • 当方の取り組みは、全てどこの助成受けずの私財投じてのここまで。

古代学顕彰から始まり(破壊古墳の保存)、閉鎖天文台の復興(静流さん協力出演)、そして様々な文化喚起への当企画シリーズ。

分野を問わず、大事なのは「大切なことを“感じる”複眼をはぐくむこと」…この基層に立脚し、多様に着眼発信へ…。

在局の職責を離れて担うべきは、配信の責務。…そのための大切なこと着眼への伝心伝播の要を出来る限り砕身と思います。

上記、原穣氏が遺児に宛てた遺訓「粉骨砕身勉強せよ」…に倣い、日々諄々と…。

 

以下、開催への協力感謝を込めて、当日DATA&協力を付記させて頂きます。

■DATA:・・・・・・・・・・・・・・

キッド・アイラック・アート・ホール
窪島氏経営のスナック「塔」に、1965年(昭和40年)2月、「キッド・アイラック・ホール」を設置。まだ小劇場も確立されていない頃、若い芸術家やジャズアーティスト等分野を問わず集う場となる。
2002年道路建設ともない37年間の幕を閉じ、同年「キッド・アイラック・アート・ホール」として最寄りに新館。
建物名の「キッド・アイラック」は喜怒哀楽に由来。絵画や写真の展示のほか、総合芸術空間として稼働。
併設「ブック・カフェ槐多」は窪島誠一郎の蔵書、約千冊が天井まで並ぶシックなカフェ。
2016年12月31日、窪島の意向により閉館。半世紀の幕を閉じる…。

信濃デッサン館
長野県上田市前山にある美術館。/1979年~2018年3月15日無期限休館
代表作:代表作「尿する裸僧」/他、関根正二、野田英夫など。
(現在、これまでの390点を県信濃美術館へ/内357点寄贈)

ただし、まだまだ収蔵作品在るなか、遠からずの再開を目指す。

「無言館」(戦没画学生慰霊美術館)
所在地、同上。/ 1997年~現在。

現在、先般の台風で無言館に通じる千曲川の橋が崩落。交通手段は巡行バス、又は自家用車での迂回。

「アトリエ第Q藝術」(多目的ホールとギャラリー、cafe)
東京都世田谷~成城学園前
(チーフディレクター:早川氏が元キッドアイラックアートホールより着任)


★今回実施:開催協力
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全企画主催:「文化じかけのオレンジ」
代表:東 睦子(山田あかね)produce

(Thanks for…)
全フライヤー&タイトルバック制作:中谷茂生
キックオフパーティー:全製作 作家・Yasumi.H.(WING 代表)
ロゴデザイン&スタッフ協力:イラストレーターmana
記録:Hiro

花寄贈:山本哲也氏
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  • 後援:美術作品再生保管「アートリボーンproject」
    /代表:石井博康(元東北芸工大副学長)

★→支援先:京都アニメ被災支援「京アニspiritsエイド」
(今季未曾有の事件、次なる社会の歪を生まない…その物心両面の支援へ)

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(下記添付写真は、ご出演&ご紹介&スタッフ関連の方に限り顔出し、以外はここにはアップせずをご了承ください)/ 尚、他への無断転用も禁則の程ご理解のほど宜しくお願い致します)/ 

本日投稿は、会場HPアップ後を受けての当タイムライン報告掲載とさせていただきます。m(__)m

お声をお寄せください:
全孤軍奮闘~微力ではありますが、皆様の声が一番の“栄養”です( ;∀;)
忌憚なく感想これからの希望、ご意見、HPほかSNSへご一報ください。→(取組みHPやE-mailは案内フライヤー内記載)

 

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【実践 ACT-2】~企画講演LIVE~2020
■夭折作家たちの画業を偲ぶ~キュレーション展(仮題)

  • 実施予定:2020年5月連休期間

※実施断念へ…。

2020年頭より全国を席巻となったコロナ禍。
京アニ放火被災の一周忌を前の5月連休を目指して、夭折した命へ向けて、画業へ至った道程を偲ぶ展示予定でしたが、「展示」という密室空間での実施は取りやめが賢明との判断に至り、今季vol.2の開催を断念することに致しました。

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■次代へ向けて…:

京都アニメ放火被災事件…、動画は作品ファンの支持を受けて恒久に愛されていきますが、その作品を施したアニメーター(作画に関わる)作家陣への畏敬を込めて一人ひとりの生き様に、その姿勢を讃え、「畏敬の念」を伝心へ…の姿勢で臨みたいと思います。

  • 今後どのようにキュレーションできるか…。
  • 総じて「表現者たち」…夭折しても遺る魂の在り方を模索して参りたいと思います。

(監修produceより)🍀

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2019年11月 京都追悼式

《京都アニメーション・追悼『お別れ そして志を繋ぐ』式の地へ…》

不条理に命を奪うは、戦禍も暴徒も同じ…。/「無言館」戦没画学生敬慕の『キッド~魂を紡ぐ~』の講演実施直後の「京アニ」クリエイター哀悼の地へ…。

代表いわく「あの日(放火被災)から時計は停まったままです」と…。

無言館の実話を元に作られた歌も同じ…『あの夏のまま…』。

この思いを重ねて、追悼の地へ…。

 

代表からの意:・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「事件の災禍は計り知れないほど大きく、失われた可能性を思うと唯々言葉もありません。

一瞬にして失った「日常」に思いを致すばかりです。

 

…(でも、今回のことで)…世界中から寄せられた義援金や励ましに、私たちが仲間と共に作ってきた作品が、こんなにも世界に届いていたことを知りました。

被害に遭った社員、家族を置き去りにして、会社再建はありえないと思っていた弊社にとって、皆様のご支援は千矢の慈雨となりました。

(今後へ向けて皆で必死に戦っていきます) 長い闘いになると思います。どうぞ、温かく見守っていただければ幸いです。

……との返礼の意。

フライヤー:

(夜空に彗星の背景、畑にポツンと京アニスタジオのような建物のイラスト)/海外からの参列にも備えて英字用意。

「作品への愛情や情熱、そこに存在していた確かな息吹は、私たちの中にしっかりと刻まれ、生き続けていきます。
全ての想いを繋ぎ、志を一つに、私たちは歩き始めます」記。

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…「~魂を紡ぐ~」取り組みへ:

  • “物心両面”という語彙のごとく、義援金以外に、ココロを支援する=豊かな培いについて…を美学制作者側として少しでも支援の意を…の一助。

伝心の基層を共に…と心し、夏以来幾重に足を運んだ京都アニメ…の現場でした。

会葬設営:2019年11月3〜4日

於:京都市勧業館「みやこめっせ」

『お別れ そして志を繋ぐ式』

(株)京都アニメーション/ 代表取締役・八田英明氏
(被害:36名死去・33名重軽症)

参列:記/ 「文化じかけのオレンジ」代表

(夭折画家追悼催事)
『~魂を紡ぐ~』/「キッド・アイラック・アート・ホールのDNA」
(出演:窪島誠一郎・おおたか静流)
主催:文化じかけのオレンジ(代表:東睦子)
後援:アートリボーンproject(代表:石井博康)

支援先:「京アニspiritsエイド」

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■受け継ぐ遺志を支える意思へ:

~支援取組みへの趣意~

  • 京都アニメ代表の弁「私たちはあの日(放火被災)から時計は停まったままです」…。

無言館の実話を元に作られた歌も同じ…『あの夏のまま…』。

この観点から支援取組みの共通項を見出しました。

 ↓

当方、時同じくして、取り組みのディレクトサポートを始めていたのが「作品の魂を後世に紡ぐ」→“アートリボーンproject”。/ 作者の現存物故によらず、作品に移入された魂は宿る…、その保存再生への取組みでした。

日本では今、その為の保存再生の態勢が一切無い。

今後の為に、その保管再生とアーカイブ&キュレーションを備えたライブラリー等の展開へ…と取組み始めたところへ、今夏の京都アニメ、放火被災事件が発生したのです。

作画の使途は違えど、ファインアート(純粋芸術)であっても、アニメーションであっても、“制作者(創造者)”の手の先から生み出された入魂であることは変わりありません。

アートリボーンprojectのサイトに、「京アニspiritsエイド」のコンテンツを設け、“画業”として、“美学に携わる”側として、支える形を発信へ。

プロデュースの立場としての当方は、現地に事件直後から何度も足を運び、そこで訴えてきたのは、

 ↓

「この事件を追慕だけに留めてはいけない。このような事件を起こす社会の歪みを生まない!という動きも、被災者の魂に報いることになるのでは…」

ということです。

 

“社会の歪みの中に沸々と鬱積の負のエネルギーを溜めてしまう”…そんな「ジョーカー」を生んでしまう社会を少しでも無くすことを目指す…。

→21世紀は、そんな無形の豊かさの培いを目指さねばならない時代であるべきと感じます!
→京都アニメ放火事件の被災となった方々の、心からの願いは「こんな事態を二度と起こしてほしくない」ということだと思います!

追慕だけに留めていては、むくわれないのです!

 

  • 美術家が集まり、立ち上げた「アートリボーンproject」…この計画段階で発生した「京アニ被災」。
  • まだ準備途上でしたが、少しでもこの事件を“次の凄惨を生まない”=豊かな社会づくりへ…の使命を自責として、“次の光明を開く”一途しなければいけないと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上を心して、本年支援取組みの講演報告と、今後へを追悼式の京都に付しました

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2020年7月 一周忌追悼

《京都アニメ放火事件~一周忌追悼現地へ》…
「あの日を忘れない」は「あの日(事件)を生んではならない」へ…
於[追悼式&追悼法要/京都]~2020年7月18日~


事件を追慕だけに留めない…それは逝った魂への最大の弔い。/一つの社会の歪が生んだ犯罪、逝った命はあまりにも多く…(70人就労中69名死傷)。……被災の後に強く思うべきは「二度と繰り返してはならない」という社会の責務。

 

  • 一人の犯罪者を生んでしまう社会の歪。それを救うのは、少しでも豊かにヒトを思い図れるココロを育むこと。ヒトの痛みをわかる社会となること。
  • その豊かなココロを育んでくれたのが、京都アニメーションの世界に誇る細やかな作品作り。
  • 不朽の漫画名作の「こち亀」の作家・秋本治さんも京アニに影響を受けて「ファインダー」という作品でオマージュしたほど。
    分業が常道となってきたアニメの現場で京アニは外注に任せず自社のスタッフ皆の感性とエネルギーで制作するという、世界に認められる作品力を京都の小さな町から発信してきました。

 

 

■支援取組み系譜:

2019年7月18日…事件現場に佇み「この制作者たちの魂をなくしてはならない!…その意を受けて昨年「京アニspiritsエイド」を立ち上げ。

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  • きっかけ:

丁度、その前年から取り組んでいた美術保管再生という日本で類例の無い試み「アートリボーンproject」の一貫として、急遽の立ち上げ。

このプロジェクトには、画業、美学者様々の顔ぶれ。

本来はファインアートなどの作品保存へ…の取組みが主眼ですが、その準備途上で勃発した京都アニメ放火殺人事件。

…あまりにも突然に奪われた命、そして、あまりにも多く遺された作品群。

  • そこには、“死して尚、生きる作品の魂あり“の実感!

このprojectに関わる諸氏皆もまた、教壇で指導したなかに様々の制作へ巣立った門下生あり。

アニメーターであっても画業の素地を学び、やがて作品づくりへ巣立ったそれぞれは“制作者”としての心眼をもって、その意気揚々たる土壌にいました。


多くの支援が世界中から寄せられた京都アニメ被災。

  • 「アートリボーン」projectは、そのなかでも、この制作者へ向けての敬慕と、夭折画家のごとく、“魂を遺す”…その息吹を紡ぐ支援をの表意。

「あの日を忘れない」…を「あの日を繰り返さない」豊かな次代へ…。

遺族の一言「今のほうが悲しい」…この惜別の一言に込められた追慕をこの先に息吹を遺す伝心へ…。

  • 7月18日現地と、追悼寺へ伺わせて頂き一考一投。

※(多くの在阪媒体から取材を承りました。この意が少しでも伝心伝播できれば幸甚です)

 

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『アートリボーン』project
https://www.artreborn.jp/
「京アニspiritsエイド」@KyouaniS

追悼関連公演LIVE「魂を紡ぐ」実施
(於:東京「スタジオ第Q芸術」)2019、10

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■京都アニメーション一周忌:

2020年7月18日
*京都現地
*追悼法要寺

これまで:事件直後の現地追悼/昨年末追悼式 それぞれに現地参拝

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■京アニ代表作

*「けいおん」2009
*「響け!ユーフォニアム」2015
*「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」2018
*(2019.7.18 放火殺人事件発生)
*「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝―永遠と自動手記人形」

2020年
(1月22日 事件現場・建物解体始まる)

*劇場版「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」6月25日~
*2020年夏 遺作 テレビOA
7月31日『聲の形』をアニメ特集で放送。
→日本テレビ「金曜ロードSHOW!」夜9時~11時14分(※放送枠20分拡大)

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【about 今後について…】


【実践 ACT-2】・・・・・・・・・・・・・・・・・・断念。

~企画講演LIVE~2020
■夭折作家たちの画業を偲ぶ~キュレーション展(仮題)

開催予定のところ、未曾有の新型ウィルス(コロナ)席巻の現状となり、
実施断念とすることに致しました。
本来は一周忌までにACT-2として開催予定。
それは、一周忌までの「昨年」は、被災者の方々が生きていた月日になるからです。
…その日を刻む機会が叶わずは残念ですが、作品もそしてその息吹(spirits)も変わらず私たちの胸中脳裏の世界を駆け巡っていると思います。

「次代へ紡ぐ…」は始まったばかりです。
「次のジョーカー(犯罪行為)を生まない」という社会造りは、私たちに課せられた責務です。
「追慕だけに留めない…」~作者であった京アニ被災の方々へ心からの敬意と、個々作家であった才気を今後へ伝心伝播して参りたいと思います。

「於:アトリエ第Q藝術」

 

 

▪️今後の事例案:
*マンパワーとしての集積:制作側の人手支援
*作品キュレーション応援(企画実施設定など)
*多くの多様な支援&義援などの受け皿=プラットホーム作り
など…。
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但し、これは決して京都アニメーションだけへリンクするのではなく、あくまで外郭応援として、多くの声を受け留め、実質作業やマンパワーや、所作業へのボランタリー協力の声を受ける「プラットホーム」作りを基層とするものとします。
先ずは、どんな形を希望されるか、どんなお声があるか、お声をお寄せください。
アニメファン層だけでなく、この未曾有の事件被災に対して、学域も職域も超えて、多くの物理的支援の声がある…ということを、“京アニ”皆々様に届く一助になれば幸甚です。

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by
■アートリボーンプロジェクト
●チーム・テオ

事業概要

■主眼:多くの美術家から創出される作品群の保管・活用と管理。

▶当起案を必要とする観点:
美術家は常に作品制作を通して魂の語りかけを表象しています。ところがその多くは一過性の作品展観等があったとしても、その後の保管と活用という息吹を得られず埋没、多くは破棄…などの顛末を迎えます。

▶必要とされる要素:
作品は制作者の魂の憑依(表象)であり、完成ののちは、どこでいかように人の目にとまり、影響の波及をみるかわかりません。
これは他者への影響派生というだけでなく、制作者自身のその後の作家活動を支える作品群としての原資(保管や活用の展開)を要とする大切なフォローアップが必要とされます。

■取組み:
当計画は、物故・現存いずれもの作家が制作し続ける作品群の保管を主軸とし、個々作品に新たな活用の使途の展開をサポートすることを主眼とします。

⇨ 「倉庫ミュージアム」創設の提案
⇨ 「社会貢献+アート」アート作品を有効活用する提案