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2003年11月16日(日)京橋区民館

公開講座会計報告、今後の活動について、etc


「絵画」あるいは「絵」とは何を指し示しているのだろう?というテーマから雑談的に様々な意見が出された。

○アルベルティの「絵画論」美輪福松(訳)中央公論美術出版・・・・この「絵画」とはイタリア語ではなんなのだろう?
● トスカナ語=イタリア語の地方の口語(話し言葉で民衆にも読めるもの)で書かれている。
○「タブロー」「ペインティング」いづれも日本語の「絵画」とはニュアンスが違うのでは?
○ペインタリー=マーレリッシュ(絵画的)とリニア(線的)の対立概念の問題

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ペインタリネス/ペインタリー(マーレリッシュ)
Painterliness / Painterly (Marlerisch)
絵の具の「塗り」を強調した絵画のありようのこと。「絵画的であること」などと訳される。より具体的には、輪郭が曖昧で開放的な形態、形態よりも色彩の力の重視、素早く、ダイナミックなタッチの多用、色むらの効果的な利用、といった特徴のこと。クレメント・グリーンバーグはこれを、抽象表現主義の絵画の重要な特徴だとした。ただこのペインタリネスという概念は、単独で十分な意味を発揮するものではない。「線的であること」、つまりドローイング=素描、あるいは閉じられた明確な輪郭「線」を強調した絵画のありようとの対比のなかで、理解されなければならない。こ の対概念はもともと美術史学者ハインリッヒ・ヴェルフリンによる。彼はルネサンス美術からバロック美術への展開を「彫塑的 (plastisch)/線的」から「絵画的(marlerisch [=painterly])」への展開とし、またこの理解がほかの時代の展開にも応用できると考えた。そしてグリーンバーグによれば、抽象表現主義とその前後の絵画の展開もまた、16世紀以降西洋美術史のなかで連綿と続いてきた、「絵画的」と「線的」の二つが織りなす弁証法的な発展史の一部に、位置づけられる。彼のこうした主張の裏には、それらアメリカの美術がヨーロッパの正統に連なるものだという、強烈な自負も窺える。(林卓行)
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○「絵画」はもう古い、とかそういった言説はもしかしたら日本の国内だけの問題なのでは?
○「絵画」と言う言葉を巡る文化状況がある以上、それはここに確かに存在する何かであることは間違いない。
○現代美術“業界”の業界用語では?


遠近法とモダニズム

新刊の御紹介/大橋紀生さんが編集されました。
描く人、鑑賞する人のための『遠近法と絵画』 美術出版社

モダニズム絵画のなかで遠近法が後退していったのはなぜ?を巡る雑談
○キュビズムがリアリズムを押し進めていって遠近法は後退した。
○イリュージョンとの関係で抑圧された?
○遠近法にまだまだおもしろい可能性があるのでは?
○カラバッジオのつきだしてくる遠近法は面白い。
○モダニズムが遠近法を抑圧していったのだとしたらモダニズム絵画は元々ポストモダンだったんでは?
○いやいや、近代というのは不透明なものである。だからモダニズム絵画はすぐれてモダンなんだ。

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